(c)堀田力丸
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 何か師走に相応しいことを書きたいとは思いつつ考えがまとまらず、昨年は何を書いたのだったかと見てみると、「再び『戦争の世紀』の様相が続く昨今の情勢」また「瓦礫(がれき)の中、爆音を聞いて育つ子供達に少しでも音楽を聞かせてあげられたら」と書いている。悲しいかな、その情勢はますます悪くなっている。家は破壊され、肉親や子供が殺され、この一年間をずっと瓦礫の中で過ごした人がいる。領土の主張であれ宗教の主張であれ、破壊し殺戮(さつりく)した後にどんな大義が成り立つというのか。