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経済大転換 「失われた30年」を超えて

第5部 頭取たちの決断(4)みどり銀行 被災地に生まれた希望 金融危機の中、3年余で消滅

2023.11.03
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みどり銀行の軌跡について振り返る米田准三さん=2021年10月、神戸新聞社(撮影・小林良多)

みどり銀行の軌跡について振り返る米田准三さん=2021年10月、神戸新聞社(撮影・小林良多)

 はかない命だった分、鮮烈な印象を残すのが、みどり銀行の軌跡だ。阪神・淡路大震災と同じ年、1995年8月に破綻した兵庫銀行の受け皿として翌96年1月に開業した。99年4月、阪神銀行に吸収合併され、みなと銀行になった。3年3カ月。被災地の復興とともに歩もうとしたが、金融危機に翻弄(ほんろう)され続けた。

 頭取は米田准三(じゅんぞう)(95)だ。旧神戸一中、旧制第六高校から東大法卒。六高では剣道部で後に外相となる安倍晋太郎の1年後輩だった。50年に神戸銀行入行。エースと嘱望され、企画部長などを経て太陽神戸銀行副頭取を務めた。同銀の歴代頭取は石野信一、塩谷忠男、奥村輝之、松下康雄と全員が大蔵省OBだ。実務は副頭取が統括していた。

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