スウェーデンから帰国し、ノーベル生理学・医学賞のメダルを手にする坂口志文大阪大特任教授。右は妻教子さん=17日午後、羽田空港
 スウェーデンから帰国し、ノーベル生理学・医学賞のメダルを手にする坂口志文大阪大特任教授。右は妻教子さん=17日午後、羽田空港

 ノーベル生理学・医学賞を受賞した坂口志文大阪大特任教授(74)が17日、授賞式や講演などを終え、スウェーデンから帰国した。到着した羽田空港で報道陣の取材に応じ「盛大な催しを十分に楽しめた」と振り返った。研究者や若い世代に向けては「サイエンスには大きな可能性がある。いろいろな方向に関心を持ち、勉強してほしい」と呼びかけた。

 妻教子さんと現れた坂口さんは、授与されたメダルを披露。最も印象に残っている授賞式をはじめ、関連行事では地元の学生らと関わる場面が多かったとし「国を挙げてサイエンスに接する姿勢は日本も見習うところがあるのではないか」と指摘した。さらに「基礎科学は簡単に形にできるものではない。私たちの受賞で理解が進めば良い」とも述べた。

 坂口さんは、過剰な免疫反応を抑える「制御性T細胞」に関する研究成果でノーベル賞を受賞した。今後について「どのように人の役に立つのかが一番関心が高い。がんなどの治療にどれだけ早く達することができるかどうかが課題だ」と話した。