学校給食に地元産農作物を積極的に使用する稲美町で、子どもたちと地元農家との心のこもった交流が続いている。デザートのシャインマスカットを作ったブドウ農家の前原芳幸さん(45)=同町岡=には、児童が感想を手書きでつづったお礼の手紙が届いた。初めての手紙に前原さんは感激。約800人の児童に鉛筆を1本ずつプレゼントした。(山路 進)
昨年9月、町内の3農家が育てたシャインマスカットが、町内5小学校、2中学校の給食で提供された。前原さんの育てたブドウは天満東、加古、母里の3小学校に届いた。
12月になると、前原さんの元にブドウを食べた1~6年生の感謝の手紙232通が届いた。
「いっしょうわすれないあまさとわすれないおいしさでした」「みんなでじゃんけんをして、たくさんおかわりしました!」…。
同町では給食の時間に児童らが、献立に登場する町内産の作物について学ぶ。2025年度には説明用のプリントに加え、初めて栄養教諭が動画を制作して教室で流した。
特産いなみ野メロン、ブルーベリー、シャインマスカットについて、味や育て方などを伝える2~3分の動画3本で、前原さんは農家の一人として登場した。子どもたちは映像を見ながら実物を食べ、生産者に送る感謝の手紙をつづった。
動画を作った天満東など3小学校の栄養教諭、川崎陽(ひなた)さん(25)は「子どもたちの目は真剣で、手紙にもより気持ちをこめられたのでは」と手応えを口にする。
前原さんは「手紙が届くとは知らず、感激した。それぞれの気持ちがとてもうれしく、おいしいブドウを作っていこうと思えた」と振り返った。
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同町では各小中学校で給食を調理する自校方式を採用。3人の栄養教諭が年間約190回の献立を考え、減農薬ブランド米「万葉の香(かおり)」やいなみトマトなど町内の農作物を数多く採用。25年度は小中学校で使用する農作物72品目のうち、約6割にあたる41品目を町内産でまかなった。
児童がお礼の手紙を送るのは十数年以上前から続いているといい、川崎さんは「給食を通じ、子どもたちが暮らす稲美町の農作物や作っている人たちを知り、感謝の気持ちを育める。これからもしっかり伝えていきたい」と話した。
























