加古川市の山陽電鉄別府駅南徒歩1分に「たびのホテル加古川」(別府町緑町1)が15日オープンする。「たびのホテル」はサンフロンティア不動産(東京)が手がけるホテルブランドで全国9カ所目、県内初進出。地域創生という同社の方針に沿って、徒歩圏の飲食店の割引券を宿泊者に配る。開業前の内覧会では、ホテルと近隣店の双方から「一緒に地域を盛り上げたい」という声が上がった。(田中朋也)
同ホテルは岐阜県や茨城県など全国各地にあり、地域連携を重視する形で今後も開業予定がある。
別府駅前は、近くに旧本社や本店がある肥料メーカーの多木化学(加古川市)が、所有地の活用を模索する中でホテル建設が決まり、昨年8月から工事が進んでいた。以前はカラオケ店と古本店だった。
ホテルは9階建て、客室数は172部屋。宿泊客は播磨臨海工業地域への出張利用などを想定。全客室に冷蔵庫、電子レンジ、洗濯機を完備し、キッチンを備える部屋もある。
9日にあった内覧試泊会では、多木化学や神戸製鋼所など27社から約50人が参加。近くに店があるイトーヨーカドーアリオ加古川店の妹尾洋二店長(45)は「宿泊する人に食料品を買ってもらえるのでは」と期待する。飲食店経営の高松佐知子さん(54)も開業に伴う駅前の活性化を望む。同不動産の堀口智顕会長(67)は「地域と一緒に成長することがホテルのコンセプト。力を合わせた町づくりのきっかけに」と述べた。
加古川観光協会によると、市内のホテルは8カ所目。ビジネス向けはJR沿線が多いが、山陽電鉄別府駅は2月から直通特急(阪神大阪梅田-山陽姫路間)と特急(西代-山陽姫路間)が停車することも進出の後押しになったという。
ダブル(素泊まり)は1人一室7400円から、2人一室1万900円から。
■大浴場、サウナ疲れ癒やし 記者が試泊会参加
旅行が好きな入社3年目の記者が「たびのホテル加古川」試泊会に参加した。
出張客向けホテルとあって、スタッフは「サウナに大浴場。『うれしい』が詰まっています」とPR。館内ツアーでは全客室に洗濯機があることに驚いた。
いざ、入浴。ヒノキのサウナはおよそ100度。10分ほどで汗が噴き出し、水風呂へ。キーンと冷えており、ほてった頰が緩んだ。
無料の「湯上がりアイス」を部屋に持ち帰り、早速原稿を書くはずが、あまりの快適さにベッドに沈んでしまった。二度寝して、気が付くと朝9時前-。
食べ損ねたが、朝食には地元グルメの「かつめし」があったとか。今度泊まる時は必ず食べるぞ-。(田中朋也)