名古山遺跡出土銅鐸鋳型(姫路市教育委員会所蔵・市指定文化財)
名古山遺跡出土銅鐸鋳型(姫路市教育委員会所蔵・市指定文化財)

 前回までは、銅鐸(どうたく)そのものについて紹介してきましたが、今回は銅鐸の造り方について見ていきましょう。銅鐸をはじめとした青銅器を造るには、金属を高温で溶かし、ドロドロに溶けたものを型へ流し込むといった、高度な技術を必要とします。製品の形状と文様を彫り込んだものを鋳型と呼び、そこに溶けた金属を流し込みます。全国で初めて発見された銅鐸鋳型は、1959(昭和34)年に姫路市の名古山(なごやま)遺跡から出土しました。石製の鋳型で、わずか4センチほどの小さな破片ですが、銅鐸を飾る格子目の文様が確認できます。また、赤穂市でも石製の鋳型の一部が見つかっており、復元すると高さ80センチ近くにもなる大型の銅鐸です(上高野(かみこうの)銅鐸鋳型)。