夜の丹波路。田園地帯を歩くと、にぎやかなカエルの合唱に包み込まれる。田植えを終えて間もない水田。星明かりに照らされた水面には、兵庫県丹波篠山市の名峰・高城山が映り込んでいる。
「丹波富士」の異名を持つ山には、戦国武将・明智光秀に攻め落とされた山城・八上城の城跡がある。麓を国道372号が走り、集落の明かりの中で、信号機が赤になったり、青になったり…。
風がなければ、星の光さえ反射する田んぼの「水鏡」。影絵のようにたたずむ山と、星降る夜の「逆さ丹波富士」。この季節だけの夢幻の光景に、しばし時を忘れる。(堀井正純)























