ピザにみそ、塩だれ、ラー油-。丹波市春日町七日市の道の駅「丹波おばあちゃんの里」が、地元産ネギを使った加工品4種類を新発売した。主役は、地域の農家らと昨年作り始めて「たんば丹(まごころ)ねぎ」の愛称を付けた新品種。実はこれ、ただの農産加工品の売り出しではない。大阪や神戸から但馬、若狭方面へ向かう観光客が数多く通る立地を生かし「丹波に寄っていこうか」と思わせる狙いがある。(秋山亮太)
■訴求力ある新たな名産品目指す
発売したのは、地元で人気のピザ店とコラボした冷凍の「ねぎピザ」(1450円、数量限定)▽ご飯のお供に最適な「ねぎ味噌(みそ)」(520円)▽野菜にも肉にも合う「ねぎ塩だれ」(680円)-の三つ。25日には「青いねぎラー油」(520円)が加わる。
「たんば丹ねぎ」は、兵庫県が下仁田ネギと九条ネギ改良種を交配して開発した新品種「ひょうごエヌワン」。同道の駅は昨年から地元の農家約20軒の協力で栽培を始め、出荷してもらった「エヌワン」を「たんば丹ねぎ」と名付けている。同道の駅で農産を担当する上村義信課長によると「丹波特有の朝の冷え込みや適度な湿潤さは、甘いネギを作るのに向いている」といい、味も県内の名産地のネギに引けを取らない手応えを感じたという。
旬の冬場に生鮮ネギとして販売したほか、規格外品や売れ残りは加工品に回すことで、農家の収入を安定させる狙いもある。1年目の2025年度は20アール弱で約1・6トンを生産。26年度は取り組む農家が26軒に増え、前年の3倍近い種子を購入する予定という。
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同道の駅は北近畿豊岡自動車道・春日インターチェンジの目と鼻の先。大阪・神戸方面から但馬方面への「入り口」に当たり、舞鶴若狭自動車道では若狭方面への「道中」にもなっている。年間を通じて都市部からの観光客が通る好立地だ。
一方、観光面でのまちの引力は、周辺の市町と比べると埋もれがちだ。「何もしなければ、丹波の魅力に気付いていない人は都市部から北へ通り過ぎていってしまう」と野原正章駅長は説明する。
そこで同道の駅が目下取り組んでいるのが、「わざわざ買いに立ち寄りたくなるような魅力的な名産品づくり」だ。人気が高まりつつあるスイートコーンや、市場の旬のすきまを狙った地場産カボチャなど、誘引力の高い農産物を見極め、生産者とタッグを組んで栽培に力を入れている。
中でも、丹ねぎへの期待は大きい。「丹波市では従来、黒豆や米などの収穫が終わると、冬は田畑が眠るものだった」と野原駅長。初春の端境期も含め、ネギの収穫・出荷時期はちょうどその空白にフィットする。客にとっての魅力が増すだけでなく、農家の収入にもつながる。
もちろん生産の労力はかかる。規格外も含めて全量を買い取るのは「産地化を目指すための投資」と野原駅長。また「自社商品には必ず地場産食材を使うというポリシーが生かせる場でもある」と説明する。
今後、生産者とノウハウを蓄積しつつ規模を広げていきたいという。既存の作物と並行できるよう、個々の生産規模は小さく、多くの農家に取り組んでもらいたい考えだ。「『丹ねぎがあるからちょっと(インターを)降りようか』という流れを生み出したい」と野原駅長は力を込める。























