豊岡市立歴史博物館に展示される神美地区の「文化遺産まっぷ」に見入る河合美智子さん(本人提供)
豊岡市立歴史博物館に展示される神美地区の「文化遺産まっぷ」に見入る河合美智子さん(本人提供)

 昨年4月から始まった古民家暮らし。便利になり過ぎるのもよくないと、脳出血の後遺症で麻痺(まひ)の残る身体ですがバリアフリーは最初から考えませんでした。

 急だった階段を緩やかなものに替えたくらい。今は高齢者施設などでも筋力の低下を防ぐため、あえてバリア(障害物)を設ける取り組みも増えているそうです。自分なりに工夫しながら生活していると不自由を感じることも少なく、この段差だらけの家がとても気に入っています。

 たくさんのご縁が重なって私たち夫婦が住んでいるのは、お菓子の神様「田道間守命(たじまもりのみこと)」を祀(まつ)った中嶋神社や但馬最古の森尾古墳など貴重な文化財の多い豊岡市神美地区です。

 今ちょうど、豊岡市立歴史博物館(同市日高町祢布)で企画展「ふるさとの宝もの」シリーズ第5弾「新田・中筋・神美地区の文化遺産」が開催中で、私たちも見学してきました。数ある展示品の中でも私のテンションが上がったのは、貝塚と三角縁四神四獣鏡。「文化遺産まっぷ」も写真付きで分かりやすかったし、地区ごとの祭りの様子なども面白かったです。こちらは4月7日まで。

 それと今回初めて知ったのですが、常設展示の豊岡の歴史絵。この絵を描いて色を塗って仕上げたのは、職員の皆さんだそうです。しかもそれぞれの風景、ただ想像で何となくではなく、土器や遺跡が実際に発見された場所の地形に合わせて描かれているというのです。よく見るとなるほど、見慣れた稜線を発見し、いきなり親近感。定価500円で「とよおか歴史絵物語~むかしといまをつなぐ~」という絵本にもなっています。私も購入しましたが、解説も丁寧でさらに理解が深まりました。これはおススメです。