赤穂市民病院(兵庫県赤穂市中広)で2020年1月、女性患者(81)が腰の手術を受けた際に神経を切断され後遺障害を負った事件で、業務上過失傷害の罪に問われた当時執刀医の男(47)に対する判決公判が12日、神戸地裁姫路支部であり、佐藤洋幸裁判長は禁錮1年、執行猶予3年(求刑禁錮1年6月)を言い渡した。
■被害女性の家族「母の身体の自由や失われた時間は戻らない」
判決などによると、20年1月22日、女性患者の腰椎の一部を切除する手術を行った際、出血が多く患部が確認できない状況だったにもかかわらず、十分な止血措置をしないままドリルで誤って神経を切断。両足に重度のまひが残る後遺障害を負わせた。
佐藤裁判長は判決理由で、視野を確保するために止血に努めるのは「基本中の基本」であるとし、男が取るべき注意義務を怠ったと強調した。その上で、女性患者が下半身不随となり、両脚が強烈な痛みに襲われるなど「重大な結果が生じた」点や、男が公判で過失の一部を指導医に責任転嫁する発言をしていた点などを踏まえ、「罰金刑にとどまる事案ではない」と述べた。
一方で、男が医師として復帰するのが事実上不可能であることから、「社会的制裁を一定程度受けている」と指摘。手術遂行をサポートする指導医とのチーム体制が機能していなかった点も踏まえ、「被告の刑事責任には限度があるべき」とし、執行猶予付きの判決が相当と判断した。
閉廷後、女性患者の代理人を務める若宮隆幸弁護士が記者会見し、量刑が適正かどうかは疑問としつつ、「一般的な医療事故とは一線を画したずさんな手術をしたと認められた」と評価した。女性患者の家族は「刑事罰が下されたことで大きな節目を迎えたが、母の身体の自由や失われた時間は戻らない」とのコメントを公表し、厚生労働省の医道審議会に対し、男に厳しい行政処分を出すよう求めた。
























