2029年度に建て替え予定の神戸市役所本庁舎2号館(同市中央区加納町6)に、米ホテル大手ヒルトングループの最上級ブランド「コンラッド」が開業する方向で調整されていることが、関係者への取材で分かった。28階建ての上層階に入る予定で、兵庫県内初の外資系五つ星ホテルとなる。
国内のコンラッドとしては、東京、大阪、名古屋(開業予定26年)、横浜(同27年)に続いて、神戸が5カ所目になる見通し。
ヒルトンは、世界各国で8千軒以上のホテルを構える。コンラッドは、質の高いサービスを提供するヒルトンの最上級ブランドとして、世界の主要都市やリゾート地で展開されている。
神戸空港では今年4月に国際チャーター便の運航が開始。30年ごろには国際定期便就航が予定され、インバウンド(訪日客)のさらなる増加が見込まれる中、消費額の高い富裕層の誘客につなげて経済を活性化するなどの狙いがある。
建設される市役所新2号館は、最上階のレセプションロビーなど上層階をホテルとし、神戸港や六甲山を望む神戸の眺望を生かすことが計画されている。
建て替えはオリックス不動産(東京)を代表とする企業グループが担う。高さ約140メートルの28階建てで、市役所のほか、オフィスや商業施設などが入る予定。港町を照らす「灯台」をイメージさせる構造になり、神戸の新たなランドマークになることが期待されている。
事業費は110億円を見込んでいたが、建築資材価格の高騰などで173億円に上がり、完成予定も当初予定の28年度から、29年度になっていた。
市役所旧2号館は8階建てだったが、1995年の阪神・淡路大震災で6階がつぶれ、6階以上を撤去して使用した。老朽化などのため、21年に解体していた。(斉藤正志)