1945年、加西市の姫路海軍航空隊鶉野飛行場から特攻機で飛び立ち、鹿児島を経て沖縄周辺の海に散った若者は63人に上る。2022年には同市が飛行場跡に平和学習施設を整備。隣接する工場で組み立てられていた戦闘機「紫電改」の実物大模型などを展示する。
あの戦禍を繰り返してはならない。終戦80年となった今月、一帯の戦跡の調査を続ける「鶉野平和祈念の碑苑保存会」が史実を広く伝えようと、滑走路跡で模型機体の夜間展示を実施。訪れた人たちはそばにある63人の碑の前で手を合わせ、隊員らに思いをはせた。
1943年に完成した同飛行場。戦況悪化に伴い、45年に神風特別攻撃隊「白鷺隊」が結成され、出撃が繰り返された。最年少は17歳だった。同会の上谷哲朗事務局長(76)=加古川市=は「証言できる元隊員はもういない。私たちが史実を後世に伝えていかないと」と語る。
夜間展示は9月14日午後6~8時にもある。同会TEL0790・21・9025(笠原次郎)