周囲に悪影響を及ぼす放置竹林が各地で問題となる中、神戸市内でも対策が本格化している。市が都市近郊の里山で伐採体験のイベントを開き、大学生らはプロジェクトを立ち上げて竹製品を商品化した。竹は成長が早い上、伐採にはコストと手間がかかる。対策の後押しには竹の使い道拡大も求められる。大量消費が期待できる堆肥への活用も研究が進んでいる。(若林幹夫)
■体験会で課題発信
6月上旬、同市須磨区と垂水区にまたがる多井畑西地区の里山で、親子連れや高校生ら23人がのこぎりを持って荒れたままの竹林に入った。指導者役の林業家らが「傘を広げて通り抜けられるぐらいがちょうどいい間隔」などと説明し、数人1組になって伐採に挑戦した。
切り倒すと薄暗い竹林に光が差し込む。1時間半ほどかけて伐採できたのは約40本。家族4人で参加した同市須磨区のパート宮場亜理沙さん(36)は「近くにこんな生い茂った竹林があるのは驚き。切るのはけっこうな重労働ですね」と汗をぬぐった。