自民党陣営の出陣式。金属探知機も使い、会場の安全確保が図られた=3日、神戸市中央区加納町6、東遊園地(撮影・笠原次郎)
自民党陣営の出陣式。金属探知機も使い、会場の安全確保が図られた=3日、神戸市中央区加納町6、東遊園地(撮影・笠原次郎)

 青々とした芝生の上に、列が延びる。金属探知機による身体検査を待つ人たちだ。傍らには爆発物を検知する警察犬も控える。普段は市民らが憩う神戸・三宮の東遊園地は、参院選公示日の朝、物々しい雰囲気に包まれた。

 改選数3の兵庫選挙区には、与野党8政党に諸派、無所属を加えた計13人が立候補。全国屈指の激戦区とされ、自民党総裁の石破茂首相はこの地で第一声を上げた。支持者らは検査を受けた後、鉄柵に囲まれたスペースで物価高対策などの訴えに耳を傾けた。

 演説中の元首相が銃撃され、死亡した事件から間もなく3年。選挙戦の風景は様変わりした。政党幹部らとも触れ合えた街頭演説の場は、警備が大幅に強化され、有権者との間に距離が生まれている。

 親しみやすさと安全性の確保。そのはざまで揺れながら、立候補者たちの選挙戦は続く。(笠原次郎)