息子2人を思って建立した観音像の前で、14年間を振り返る笹谷由夫さん(右)と妻美江子さん=仙台市宮城野区蒲生
息子2人を思って建立した観音像の前で、14年間を振り返る笹谷由夫さん(右)と妻美江子さん=仙台市宮城野区蒲生

 東日本大震災で津波に襲われた仙台市宮城野区の蒲生(がもう)地区。家屋が流され、いまは倉庫や工場が並ぶ一角に、白い観音像が立っている。津波で息子2人を亡くした両親が「子どもたちの生きた証しがほしい」と建立した。「後悔はずっと消えねえ」。助けられなかった自分たちを責める両親は、震災14年となった11日も、2人の名前から1字ずつ取って名付けた観音像に語りかけた。(上田勇紀)