阪神・淡路大震災で亡くなった「しょう君」のために手作りした幼稚園用の服やカバン=西宮市内(撮影・風斗雅博)
阪神・淡路大震災で亡くなった「しょう君」のために手作りした幼稚園用の服やカバン=西宮市内(撮影・風斗雅博)

 わずか1歳半の生涯。阪神・淡路大震災で亡くなった長男「しょう君」のために、母としてできることはないか。高井千珠(ちづ)さん(63)=西宮市=は来る日も来る日も考えた。

 長女の「ゆうちゃん」と双子だったから、誕生日にはケーキを二つ焼いた。幼稚園の入園グッズは2人分を手作りし、小学校に入る年にはランドセルと学習机をそれぞれに用意。しょう君のホームページを立ち上げ、同じように子を亡くした親たちと交流した。

 結婚から7年後に待ち望んで授かった双子のきょうだい。「しょくん」「うーたん」。2人はお互いの名を呼び合うまでに成長していた。幸せな日々は突然、断ち切られた。