津波に備え、今年整備された水門。臨時情報の発表で南海トラフ巨大地震への警戒は高まった=南あわじ市阿万塩屋町(ドローンで撮影)
津波に備え、今年整備された水門。臨時情報の発表で南海トラフ巨大地震への警戒は高まった=南あわじ市阿万塩屋町(ドローンで撮影)

 パリ五輪の熱狂を伝えるテレビ画面に、地震速報が流れたのは8月8日の夕方だった。長い1週間が始まった。

 午後4時43分、宮崎県沖でマグニチュード(M)7・1の地震が発生。最大震度は同県南部の6弱。被災の程度もさることながら、気象庁の慌ただしい動きに関心が集まった。

 急きょオンラインで学者らの評価検討会がもたれ、地震から約2時間半後、気象庁は初の「南海トラフ地震臨時情報(巨大地震注意)」を発表する。M8~9級とされる南海トラフ巨大地震の発生可能性が平時より高まった-。そんな呼びかけだったが、耳慣れない言葉に混乱は広がった。