神戸の市街地から望む六甲山地。活断層の活動によって隆起したとされる(撮影・笠原次郎)
神戸の市街地から望む六甲山地。活断層の活動によって隆起したとされる(撮影・笠原次郎)

 1995年1月17日午前5時46分、阪神・淡路大震災が起きた。東京大地震研究所教授の加藤愛太郎(50)は当時、大阪大の2年生だった。

 成人式に出るため出身地の静岡県掛川市に帰省し、16日に下宿先の大阪府豊中市へ戻る。翌朝、強い揺れでベッドから転げ落ちた。

 「東海地震だ」。そう直感した加藤は、すぐさま机の下に潜った。静岡では子どものころから、東海地方を中心とした巨大地震と津波への警戒が呼びかけられていた。