コロナ禍のさなか、屋外に建てたコンテナの発熱外来で、患者から検体を採る高橋玲比古院長=2022年1月、神戸市須磨区大池町5、高橋病院
コロナ禍のさなか、屋外に建てたコンテナの発熱外来で、患者から検体を採る高橋玲比古院長=2022年1月、神戸市須磨区大池町5、高橋病院

 災害時の医療現場では、何が起こるのか。

 連載では、神戸市長田区にあった高橋病院の阪神・淡路大震災における動きを、2代目院長就任までの経緯と合わせて詳細にたどった。震災以降、非常用電源や備蓄資材、治療の優先順位を決める「トリアージ」の重要性は広く浸透した。行政は、災害医療の枠組み作りを進め、防災訓練も当時より充実している。それでもなお、同病院の経験は、想定の甘さを鋭く突く。