神戸市長田区にあった高橋病院から、3度の移動を経て約50人の入院患者がたどり着いた同市須磨区の鷹取中学には、ピーク時は2千人を超す被災者がいた。地域住民が既に交渉してくれており、入院患者には2部屋の教室があてがわれた。
震災当日の1月17日夜。板張りの床に段ボールを敷き、2人で1枚の毛布にくるまった。18日明け方の気温はほぼ0度。避難時の寝間着しかない患者らは、抱き合って寒さに耐えた。
余震が来る。窓がガタガタと音を立てると、寝ぼけた高齢の患者が「次、降ります」と言う。バスに乗った夢を見ているのだろう。