兵庫県は、前知事斎藤元彦に至るまで、総務省(旧内務、自治省)出身の知事が62年間続いてきた。源流をたどると、金井元彦に行き着く。金井の初当選は1962年11月。核戦争の危機にひんした「キューバ危機」があった年だった。
東大卒の旧内務官僚で、兵庫県副知事を55年から務めていた金井は58歳になっていた。一方、高度経済成長の風も味方に県民の支持を集めていた知事阪本勝は、3期目に挑むかどうか頭を悩ませていた。初当選の際、「米大統領も2選まで」と3選を目指す現職を批判した手前、なかなか立候補に踏み切れなかった。