知事が副知事を解職し、その副知事が知事らを横領などで刑事告発する-。神戸新聞が「空前の泥合戦」と評した混乱が、70年前の兵庫県庁で起きていた。1947年に就いた初の公選知事、岸田幸雄の2期目。54年5月のことだった。
副知事の吉川覚は東大卒の旧内務官僚で、46年に経済部長として県に赴任。47年末から副知事を務めていた。だが人事案などで対立が深まった末、岸田は退職を勧告する。ところが吉川は拒否し、岸田らを神戸地検に背任や横領などの容疑で告発した。
知事が副知事を解職し、その副知事が知事らを横領などで刑事告発する-。神戸新聞が「空前の泥合戦」と評した混乱が、70年前の兵庫県庁で起きていた。1947年に就いた初の公選知事、岸田幸雄の2期目。54年5月のことだった。
副知事の吉川覚は東大卒の旧内務官僚で、46年に経済部長として県に赴任。47年末から副知事を務めていた。だが人事案などで対立が深まった末、岸田は退職を勧告する。ところが吉川は拒否し、岸田らを神戸地検に背任や横領などの容疑で告発した。