ルッキズムについて考察を語るMFMS代表の外川浩子氏=千葉県習志野市谷津5
ルッキズムについて考察を語るMFMS代表の外川浩子氏=千葉県習志野市谷津5

 ルッキズム(容姿至上主義)について考える連載「すがたかたち」では、これまで外見にコンプレックスを抱く人たちの体験談を紹介してきました。今回は「当事者」から少し視点を変え、見た目問題の啓発や支援に取り組んできたNPO法人「マイフェイス・マイスタイル」代表の外川浩子さん(56)にルッキズムとの付き合い方や言葉が広がる背景などをうかがいました。(聞き手・大田将之)

 -ルッキズムという言葉が広がっています。神戸新聞のアンケート(291人が回答)では「聞いたことがある」と答えた人が約6割でした。

 私たちの業界では10年以上前から耳にしましたが、この数年で一般的にも広がったように感じます。見た目ばかりで判断され、外見が良い方が得をするという状況に、みんながずっと「おかしい」という違和感は抱いていた。そこにちょうどフィットするような言葉がルッキズムだったということだと思っています。そもそも不満や鬱憤のような心情が渦巻いていて、そこに名前がついた、というような感じでしょうか。

 

 -見た目問題とルッキズムについて。

 見た目問題は、外見を理由に直面する問題の総称です。顔や体の変形、あざ、傷など外見的な症状で悩む人たちを支える活動の中で、私たちがつくった言葉です。2006年に「マイフェイス・マイスタイル」を立ち上げ、主に啓発活動に力を入れてきました。シンポジウムや交流会を開いたり、インターネット番組で発信したり、学校で講演したり、写真展を開いたり。見た目問題とルッキズムとは地続きにあると考えています。最近はメディアや講演などでルッキズムについて話す機会も増えました。

 

 -過去に「日本はルッキズム天国のようだ」と発言されていました。