意見が分かれた特定少年の報道について振り返る、山梨日日新聞社の中山純・元報道部長(左)と樋川義樹・事件担当デスク=甲府市
意見が分かれた特定少年の報道について振り返る、山梨日日新聞社の中山純・元報道部長(左)と樋川義樹・事件担当デスク=甲府市

 事件当時19歳の少年を実名で報じるか、匿名で報じるか。山梨日日新聞(山日(さんにち))は、決断を迫られていた。同じ建物に入るテレビの山梨放送は、実名で顔写真も出すと決めた。だが「流れていく」テレビ映像と違い、新聞は紙で「残る」媒体だ。更生を重んじる少年法の精神をどう考えるか、立ち位置が鋭く問われた。