夏の兵庫大会で登板する須磨翔風高校3年の才木浩人投手=2016年7月14日、尼崎市ベイコム野球場
夏の兵庫大会で登板する須磨翔風高校3年の才木浩人投手=2016年7月14日、尼崎市ベイコム野球場

■頑張りが後輩の励みに

 2013年夏、須磨翔風高校(神戸市須磨区)の中尾修監督(57)は、体験入部に訪れた細身の長身右腕を見て「ひょろひょろやな」と思った。当時中学3年の才木浩人投手。翌春の入学時、実績ある同級生の中で「4番手」と見ていたが、急成長し高卒でプロへ。7年目の今季はリーグ制覇が懸かる大一番で勝利投手となり、「ここまでになるとは」と心底驚いた。

 同学年には神戸市の中学生大会1~3位校のエースがずらり。一方の才木は180センチ台半ばの上背があり、優れたボール感覚としなやかなフォームが目を引いた。中尾監督が「芯がどれだけできるか」と体幹の重要性を指南すると、地味なメニューにも打ち込んだ。