窃盗と火遊びを繰り返すようになった元非行少女の翼(26)=仮名=は、中学3年生の終わりに児童自立支援施設を出所し、自宅に戻って高校生活を始めた。だが、再びレールを外れていく。危うい衝動を抑えきれなくなっていた。
牛丼のチェーン店でバイトを始めたんだけど、お店のお金を抜いてたんです。おつりを渡すとき、レジから500円玉を2枚取って1枚渡すみたいな感じで。それがばれて、高校は1年生で自主退学しました。
父親の再婚相手は小学5年のころ家を出て行き、その後、新しい「彼女」が同居するようになった。翼の心には、嫉妬のような複雑な感情がたまっていった。
16歳の冬に、お父さんと彼女さんの布団に火をつけました。追い出したかったんです、彼女を。すぐ人が来て消火したんで、ベッド周辺だけで火は収まって、事件化はされなかったけど。