命が失われかねない放火。現住建造物等放火罪は、死刑もありうる重罪だ。富山県出身の元非行少女、翼(26)=仮名=は、成人するまでに自宅に火を付けて2度全焼させた過去がある。ただ、逮捕も起訴もされなかったという。成人に刑罰で対処する刑事司法と、立ち直るための矯正教育に軸足を置く少年司法の違い。翼は、それが顕著に表れた存在とも言える。
自分(私)と兄ちゃんを産んだ母親は、自分が0歳のときに父親と離婚しました。親権は母親にあったんですけど、新しい男の人ができて、自分たち2人を施設の前に置いていったみたい。お父さんいわく、その男の人が「俺と子ども、どっちを取るか」みたいに言って、母親は男の人を取ったということでした。