少年時代は大人に対する敵対心しかなかった。腕には火のついたたばこで焼いた「根性焼き」の痕がある
少年時代は大人に対する敵対心しかなかった。腕には火のついたたばこで焼いた「根性焼き」の痕がある

 元非行少年の雄貴(24)=仮名=が、関東の児童自立支援施設を出たのは、義務教育期間を終えた15歳の春だった。高校などに進学はせず、九州の養豚場に就職した。「社会人生活」が始まった。

 2カ月ぐらいしかもたなかったですね。遊びたい思いを我慢できへんかった。結婚せず妊娠していた19歳の姉ちゃんが身元引受人になると言ってくれて、6月頭には四国に戻りました。帰ってきたぞ、って幼なじみに電話したら、みんな無免許なのに単車で迎えに来て。2人乗りで走り出したらすぐパトカーが赤灯を回して追いかけてきてね。