原爆の恐ろしさを短歌で伝え続ける小泉雄次さん。後ろに掲げた峠三吉の代表作について「一番被爆者の思いが込められている」=伊丹市(撮影・中西幸大)
原爆の恐ろしさを短歌で伝え続ける小泉雄次さん。後ろに掲げた峠三吉の代表作について「一番被爆者の思いが込められている」=伊丹市(撮影・中西幸大)

 広島と長崎に相次いで原爆が投下されて間もなく78年。いや応なく「被爆体験の風化」が進む。今回登場いただくのは、その流れにあらがうかのように、自身が見たり、父や母から聞いたりした広島の当時の惨状を短歌に詠み続ける小泉雄次さん(86)=伊丹市。「忘れてしまったことも多い」。そう言いながらも、記憶を懸命にたぐってくれた。(聞き手・綱嶋葉名)