板東正恵氏
板東正恵氏

 「戦争だけは絶対あかん」。幼い頃、疎開先で貧しい暮らしを経験した父親から非戦の思いをずっと聞かされた。一昨年に亡くなったが、その言葉が立候補を後押しした。

 ロシアのウクライナ侵攻や米国のベネズエラ攻撃など世界情勢は不穏だ。「軍事増強ではなく戦争に向かわせない外交こそ日本の役割。毅然(きぜん)と国際法順守を訴えるべき」と力を込める。

 小規模事業者を支援する尼崎民主商工会で10年以上勤め、年間280件の相談業務を担った。長引く不況に新型コロナウイルス禍、原材料費高騰と人材不足が深刻化。インボイス制度は新たな税負担を生み、事業者の経営環境を悪化させたと実感した。「耐えきれず、廃業する事業者を何人も見てきた。大企業優遇ではなく地域経済の土台を支える政治に」と訴える。

 昨年の尼崎市議選で初めて政治の世界に挑んだ。物価高にあえぐ声に応えたかったが、落選した。「準備不足で不完全燃焼だった。次こそは」。国政につながる舞台で巻き返しを図る。(小林良多)

【メモ】「当時は軍隊のようだった」という高校教育に違和感を覚え、退学を選んだ。座右の銘は宮沢賢治の「世界がぜんたい幸福にならないうちは個人の幸福はあり得ない」。認知症の母と同居し、「人生の最後まで安心できる尼崎に」と願う。元保護猫3匹を飼う。

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