次々と発生した積乱雲が風の影響でつながり、数時間にわたって同じ場所に大量の雨を降らせる。台風や豪雨被害で「線状降水帯」という言葉をよく聞くようになった。鹿児島県では先週、今年に入って全国で初めて発生。昨年、能登半島地震の被災地に記録的な大雨を降らせたことも記憶に新しい。近畿地方も梅雨に入り、これからの季節、気象庁の予測情報や発生情報に注意が求められる。(杉山雅崇)
■最大降水域は長さ300キロ幅50キロ/河川が氾濫、地盤緩み土石流も
気象庁は現在、長さ約50~300キロ、幅約20~50キロの降水域を線状降水帯と定義している。大雨の影響で、土砂災害や浸水、河川の氾濫などの危険性が高まる。
線状降水帯という言葉は2014年8月、広島市の安佐北、安佐南両区を中心とした集中豪雨による土砂災害以降、よく使われるようになった。このときは土石流や崖崩れに多くの家屋が巻き込まれ、74人が死亡、3人が災害関連死と認定された。