神戸新聞社の写真企画「里へ 人と自然のものがたり」は2024年度の日本新聞協会賞を受賞しました。企画では、人口減少や生活スタイルの変化、外来種問題などがもたらす人と自然界の関係の変化をテーマに、野生動物や人の営みを見つめてきました。全24回の連載の中でえりすぐりの5本を紹介します。
■「カキ、クリ求め集落急接近」
兵庫県但馬地方(2023年11月11日付掲載)
全国的にクマの出没が相次ぐ中、民家裏に現れたツキノワグマを自動撮影カメラが捉えました。人と獣の境界が揺らぐ里山の現状を取材しました。
■「川の恵み伝える冬の味」
兵庫県千種川水系(2023年1月14日掲載)
千種川に注ぐ小さな支流で昔から続く「寒じゃこ漁」。一方、じゃこ漁を行う人は今や、組合員約900人の千種川漁協でも数えるほど。西播磨の冬の風景とその周辺にレンズを向けました。
■「わが物顔で出没 人と知恵比べ」
兵庫県丹波篠山市(2022年4月9日掲載)
過疎、高齢化の集落でわが物顔で現れるニホンザル。丹精した作物の被害に肩を落とす人たち。一方、集落が連携し対策に乗り出す動きもあります。人とサルの「綱引き」が続く現場へ記者が訪ねました。
■「里山丸のみ 獣害の前線基地」
兵庫県・淡路島(2023年6月10日掲載)
竹林面積が拡大する淡路島。タケノコ目当てなどで人里近くに植えられていた竹林が、過疎・高齢化などで整備が滞り「放置竹林」化しています。さらにここは、獣害の〝前線基地〟でも。竹林の拡大を防ぐ島内の取り組みとは。
■「熟れたブドウ 闇夜にごっそり」
兵庫県加西市(2022年9月10日掲載)
北米原産のアライグマ。1970年代に人気アニメの影響でペットとして盛んに輸入されましたが、気性が荒いため飼育が難しく、多くが野に放たれその数を増やしました。その後、各地で農業被害が続出。農業の担い手不足の問題もあり、負の連鎖が続いています。