神戸市が進める垂水駅前の再整備に伴い、垂水図書館が垂水区日向1にリニューアルオープンした。旧施設の隣接地に、3倍以上のスペースを確保。約12万冊を所蔵し、学習室や屋上庭園も備える。目を引く多面体の外観が特徴で、駅前の新たなランドマークとしても期待されている。
旧施設は1991年、区役所が入る「レバンテ垂水2番館」に開館した。狭さが課題となっており、市が垂水駅前の再整備事業の一環でリニューアルを決めた。
2020年に設計を始め、23年に本体工事に入って約2年半で完了した。1階部分のロータリーや地下1階駐輪場を含めた事業費は約36億円という。
市文化スポーツ局によると、グレーで多面体の外観は「全方向に向けて開かれた図書館」をイメージした。階段を上って2階の入り口を抜けると、内装にふんだんに採り入れた木材の香りが鼻を抜ける。3階には児童書コーナーや学習室を設け、4階の「屋上ひろば」からは駅周辺や明石海峡大橋が一望できる。
リニューアルオープンした9月30日には記念式典が開かれ、地域団体の代表者や市幹部、市会議員ら35人が完成を祝った。東灘区に住む将棋の谷川浩司十七世名人(63)が神戸大使としてあいさつ。「幼少期に百科事典で将棋のルールを覚え、本を読んで上達した。子どもたちがじっくりと読書や勉強をし、地域に愛される図書館になってくれることを願う」と話した。
月曜休館。午前10時~午後8時(日曜祝日は午後6時まで)。10月4、5日は整理券を配って入館制限を実施する。TEL078・709・7712
(井沢泰斗)