全国菓子大博覧会で受賞した商品を示す松井隆昌社長=亀井堂総本店
全国菓子大博覧会で受賞した商品を示す松井隆昌社長=亀井堂総本店

 神戸・元町にある瓦せんべいの老舗「亀井堂総本店」が、北海道旭川市であった全国菓子大博覧会で最高位の名誉総裁賞を受賞した。対象となった商品は、西区産の神戸いちじくを使ったバターサンド。芳醇(ほうじゅん)な香りとプチプチした食感が売りという。

 菓子博は4年に1度開かれており「お菓子のオリンピック」と称されている。全国から集まった菓子を、技術や地域性などの面から表彰。前回は新型コロナウイルス禍で中止となり、今年5~6月の「あさひかわ菓子博」は8年ぶりの開催となった。

 約1200点の応募から最高位に選ばれた亀井堂総本店の商品は「TONOWAバターサンド 神戸いちじく」で、2018年に立ち上げたブランド。バタークリームをサブレで挟んだ菓子で、現在9種類を販売している。

 神戸いちじくは、バタークリームに使われている。西区の農家から朝採れを取り寄せ、1日かけて蜜漬けするなど加工。生地の甘さを抑え、風味を引き出している。

 亀井堂総本店は1957年に「大瓦せんべい」、77年に「やわらか焼」で名誉総裁賞に輝いており、今回が3回目。松井隆昌社長(38)は「商品に込めた思いと味を認めてもらえた。全国の産地を巻き込んで果物の消費拡大につなげたい」と話した。(中村有沙)