国内ラグビー最高峰のリーグワンは日程のほぼ半分を終えた。リーグ上位につけるコベルコ神戸スティーラーズで、右プロップの具智元(ぐじうぉん)(29)は全試合に先発。スクラムを中心に奮闘している。
対戦相手には、昨秋のワールドカップで日本代表として一緒に戦った選手もいる。このうちラブスカフニ(東京ベイ)の国籍は南アフリカ、ナイカブラ(BL東京)はフィジーだ。ラグビーの代表資格は国籍ではなく、60カ月(以前は36カ月)継続居住など一定の条件を満たせば取得できる。
今は日本国籍の具智元も出身は韓国。父の具東春(グドンチュン)さん(59)は韓国代表の名プロップだった。具智元はいわば「韓国ラグビーのサラブレッド」である。そんな彼が、なぜ母国ではなく桜のジャージーを選び、過酷な右プロップの「3番」で力を振り絞るのか。昨年末に連載した「前半」とは別角度から半生をたどり、その胸中を描きたい。
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