神戸地方検察庁=神戸市中央区橘通1
神戸地方検察庁=神戸市中央区橘通1

 兵庫県の告発文書問題を巡り、文書を作成した西播磨県民局長(故人)の私的情報が県議3人に漏えいした問題で、神戸地検は27日、地方公務員法(守秘義務)違反容疑で書類送検されていた井ノ本知明前総務部長を不起訴処分(起訴猶予)とした。同容疑で告発されていた斎藤元彦知事と片山安孝元副知事についても同日付で不起訴処分(嫌疑不十分)とした。

 井ノ本氏の処分理由について、地検は「関係者の高度にプライバシー性の高い情報が問題となっており、公判廷で明らかにした場合の影響を慎重に判断した。被疑者が社会的制裁を受けていることなども考慮した」とした。

 斎藤知事と片山元副知事については「秘密漏えいを命じたり、そそのかしたりしたと認定するに足りる証拠が得られなかった」とした。

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 県の第三者調査委員会は昨年5月に公表した報告書で、井ノ本氏が元県民局長の公用パソコン(PC)内にあった私的情報を、県議3人に漏えいしたと認定。その上で「斎藤知事や片山元副知事の指示により、県議会への『根回し』という趣旨で伝えられた可能性が高い」と指摘した。

 井ノ本氏は、第三者委の調査に「知事や元副知事の指示に基づき、総務部長の職責として行った」と主張。斎藤知事は漏えいを指示した認識は「全くない」と関与を否定している。

 片山元副知事は第三者委に対し、知事の指示があったと認識して議会への「根回し」を井ノ本氏に指示したと認めた。だが、報告書の公表後は「必要かつ相当な範囲の根回しで、総務部長の適切な業務だった」と違法性を否定している。

 上脇博之神戸学院大教授が昨年6月に斎藤知事と片山元副知事、井ノ本氏を地検に告発した。自民党の長瀬猛県議も県警に告発状を提出し、県警が今年2月に井ノ本氏を同法違反容疑で書類送検していた。

 上脇教授の告発状によると、斎藤知事は24年4月、元県民局長の公用PCにあった私的情報を県議会に知らせるように命じるなどし、井ノ本氏が複数の県議に漏らしたとしている。片山元副知事も漏えいを容認したなどとしていた。