町民ふれあい号を企画した藤田栄次さん=西脇市黒田庄町
町民ふれあい号を企画した藤田栄次さん=西脇市黒田庄町

■企画列車、駅舎に花 鉄路への愛を形に

 乗用車が爆発的に普及した1960年代後半以降、加古川線の乗降客数は下降線をたどった。モータリゼーションの波がライフスタイルを変えていく中、沿線では愛着のある鉄路を守ろうとする動きがみられた。

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 旧国鉄職員だった西脇市黒田庄町の藤田栄次さん(78)は、神戸線の車掌だった叔父に誘われて国鉄に入社。加古川駅の庶務として約20年間勤めた。40代で故郷の黒田庄駅に転勤すると、同僚に声をかけられた。

 「栄ちゃん、『町民ふれあい号』をやらへんか」