会見する高見千咲市議=21日午後、姫路市役所
会見する高見千咲市議=21日午後、姫路市役所

 昨秋の県知事選などを巡り交流サイト(SNS)に不適切な投稿を繰り返したとして、姫路市議会から辞職勧告を受けた高見千咲議員(30)=無所属=が21日、市内で会見した。「政治倫理審査会の報告書はずさん」とし、勧告は不当と主張。体調不良で欠席を続ける議会活動を5月から再開する意向を明らかにした。

 高見議員の投稿に関し、市議会は今年2月、政治倫理審査会を設置。「県警内部で特定候補(斎藤知事ではない)の応援をするよう通達があった」などの投稿を調べ、辞職勧告に相当するとの報告書をまとめた。

 会見で高見議員は投稿の根拠について、複数の現役警察官から確認したという知人から聞いたとした上で「信頼できる方。信ぴょう性があると判断した。世間に知ってほしかった」と説明。県警が事実でないとして自民党県連を通じて削除を要請したが、「断定して書いていない。削除するつもりはない」とした。

 昨年11月には、県知事選で落選した稲村和美氏について「(斎藤知事が見直しを訴える)1千億円で県庁舎を建て替える計画を、そのまま実行しようと訴えている」と語る動画を投稿した。同審査会は「事実でない」と認定したが、高見議員は「弁護士からは、合理的な推論だったと言われている。私はその時、事実と思って発信した」と話した。

 報告書については「何が条例違反なのか、全く伝わってこない」と反論した。

 そのほかの知事選関連の投稿については「それぞれに意図があった。元々、X(旧ツイッター)のフォロワーは少なかったが、斎藤知事を応援しているうちにいつの間にか増えた。いまは7千人ほど。(フォロワーの)大部分が知事を応援している方なので、得たいであろう情報を発信した」と主張した。

 一方で、県警を巡る投稿が多く拡散されたことについては「ここまでとは正直、思っていなかった。フォロワー数的にも、全国的なニュースになるとは思わなかった」と吐露。今後の議員活動については「(体調不良の)治療はこれからも続く。無理のない範囲になるが、休んでいた分を取り返せるようまい進したい」と意欲を示した。

 高見議員に対する辞職勧告決議案は、3月の定例会本会議で退席1人を除く全員が賛成して可決された。(有島弘記、真鍋 愛)