軽トラックに乗った巨大な小便小僧が兵庫県西宮市などに出没している。ベルギー人アーティスト、パトリック・ジェロラさん(66)の作品で、道行く人たちを笑顔にしようと31日まで兵庫や大阪を巡っている。
小便小僧は世界各地にあるが、本家はベルギー・ブリュッセルの像(身長61センチ)。爆弾の火を小便で消した少年の伝説が由来の一つとされる。パトリックさんは20代まで像の近くで暮らし、「家族のように身近な存在だった」という。
作品は小僧を220センチに巨大化させ、全身をカラフルに彩色。新型コロナ禍で美術館の展示などが自粛されていた4年前から、軽トラックの荷台に乗せて各地を回る「移動展覧会」を続けている。
今回、大阪・関西万博に合わせて大阪や神戸、姫路などを巡回。29日には西宮市内に登場し、見かけた人らは足を止め、スマートフォンを向けていた。
道行く市民(56)は「見たら自然とにっこりしちゃいますね」と笑顔。パトリックさんは「アートは心を潤す薬のようなもの。皆さんが元気になってくれたらうれしい」と話していた。(地道優樹)