長瀬産業の社員と意見交換する池上十和子さん(中央)=尼崎市東塚口町2
長瀬産業の社員と意見交換する池上十和子さん(中央)=尼崎市東塚口町2

 カニの殻をエサにしてバイオプラスチックの原料を生成する微生物を発見した近畿大学付属豊岡高校3年の池上十和子さん(18)と、化学品専門商社「長瀬産業」(本社・東京)の社員による対談が、尼崎市東塚口町2にある同社の研究施設であった。池上さんが発見までの経緯や苦労を振り返り、プラスチック素材を研究する社員らを驚かせた。(地道優樹)

 バイオプラは植物などの生物資源が原料。微生物によって分解されたり、製造過程で二酸化炭素(CO2)の排出が減ったりするため、環境への負荷が少ないとされる。

 池上さんは、地元の豊岡市で廃棄されるカニの殻からバイオプラの原料となる物質「ポリヒドロキシアルカノエート(PHA)」を作る細菌を発見。研究が評価され、昨年12月に高校生・高専生が科学技術の自由研究の成果を競う「JSEC2023」で最高の文部科学大臣賞を受賞した。