JR西日本の倉坂昇治社長は21日、神戸新聞社のインタビューに応じ、今年12月に完成する尼崎JR脱線事故の事故車両保存施設について、遺族や被害者、社員以外は「原則非公開」とした上で、日々救助活動に当たる警察や消防の関係者、運輸事業者の安全担当者には、要望に応じて公開する考えを示した。自社だけでなく公共交通全般の安全性向上に役立てるためで、「運輸の安全をつくりあげることにつながれば」と意義を説明した。(大島光貴)
保存施設は大阪府吹田市の社員研修センター隣に整備。損傷が激しく復元が困難な1~4両目は車両ごとに部品を棚に置き、5~7両目は連結した状態で展示する。地階では事故直後の様子を実寸大で再現する。
倉坂氏は「私どもにとって、事故の悲惨さや命の大切さ、反省、教訓を心に刻む大切な場所」と強調した上で、「公共交通がより安全安心であり続けられるように、共通の思いを持つ関係者には希望があればご覧いただく」と述べた。