大家のデビュー作にはその後の活躍を予感させる才能のすべてが詰まっているという。作家清水一行もまさにそうだ。本作「小説兜町(しま)」は相場に人生をかけた人間の躍動感と揺れ動く心理が陰影に富んだ筆致で描かれ、発売後、増刷に次ぐ増刷となった。経済小説の新境地を開いた清水は79年の生涯で214作品を生み出した。これは城山三郎の118作品を上回る。
大家のデビュー作にはその後の活躍を予感させる才能のすべてが詰まっているという。作家清水一行もまさにそうだ。本作「小説兜町(しま)」は相場に人生をかけた人間の躍動感と揺れ動く心理が陰影に富んだ筆致で描かれ、発売後、増刷に次ぐ増刷となった。経済小説の新境地を開いた清水は79年の生涯で214作品を生み出した。これは城山三郎の118作品を上回る。