89歳の時の古野清賢氏。古野電気本社に毎日顔を出していた=2015年4月、西宮市芦原町
89歳の時の古野清賢氏。古野電気本社に毎日顔を出していた=2015年4月、西宮市芦原町

 「イワシの神様」が逝った。6月26日に98歳で亡くなった古野電気(西宮市)創業者の古野清賢さん。実兄清孝さん(故人)が魚群探知機を発明すれば、清賢さんはいぶかしむ漁師らを説得して漁船に乗り込み、イワシの大群を捉えてみせた。

 「技術」の兄と「営業」の弟。戦時下、長崎県・島原半島南端の町から二人三脚の挑戦のドラマは始まった。