グローリーの新社長に内定した原田明浩取締役専務執行役員(右)と、三和元純社長=姫路市駅前町、ホテルモントレ姫路
グローリーの新社長に内定した原田明浩取締役専務執行役員(右)と、三和元純社長=姫路市駅前町、ホテルモントレ姫路

 三和元純氏(69)の後任としてグローリー(姫路市)の新社長に決まった原田明浩氏(60)の会見での主なやりとりは次の通り。

 -打診された時の受け止めは。

 「後任社長の選任プロセスの指名諮問委員会が2年前から始まり、面接では『現場でやりたい』と申していたので、私になるとは思っていなかった。昨秋に三和社長に会議室に呼び出され、『原田に任せたい』と話があり、これまでのプロセスもあったので、『お受けします』と返事をした。大変重要な時期なので、覚悟を持ってやっていきたい」

 -海外事業で担ったことは。

 「2012年の(同業の英国の)タラリス社買収では英国に飛んだ。自社の海外事業部の従業員500人、タラリスは2千人で『小さい会社が巨人を買った』ような状態。現地の社長をグローバル経験のある相手側の社長にしたことで、自社内からは反発もあったが、結果的には強固な海外チームができた。当時は金融事業しかなく、一からリテール事業をつくり上げたが、近年は大きく成長した」

 「ここ3年はハードウエアからデジタルへの移行に向け、(セルフ式注文・決済機器を製造販売するフランスの)アクレレックや、(小売業向けソフトウエアを開発・販売する英国企業)フルイド・トプコ、(通貨処理機事業を展開する米国の)レボリューションリテールシステムズの買収と、先行投資をしてきた」

 -キャッシュレス化への対応は。

 「業績に大きな影響は出ていない。海外では現金処理機がまだ浸透しておらず、現金流通量が減ってもまだ好機はあると考えている。国内でも金融機関で店舗に1台必要な機械もあり、コア事業でもまだ稼いでいける。加えて新事業を進めるシナリオでいきたい」

 「買収したアクレレックは、(タッチパネルで注文や精算ができるセルフサービス)『キオスク』を使ったドライブスルーシステムなどを手がける会社。フルイドも、ハードウエアのメーカーがどこかを問わず対応できるクラウド型POSの優れた技術を持った会社で、今後伸びるだろう」

 -グローリーをどのような会社にしたいか。

 「(社員が)自社製品に愛着を持ち、やりがいを持って働ける会社にしたい。そのためには風通しの良い風土づくりや、社員が得意分野で思い切り頑張れるようにすることが私の仕事。会社の将来について幹部だけで考えるのではなく、若い人の意見も得ながら一緒に考えていきたい」

(石川 翠)