五冠達成を決め、笑顔を見せる一力遼四冠=21日午後、神戸市中央区波止場町、ホテルオークラ神戸
五冠達成を決め、笑顔を見せる一力遼四冠=21日午後、神戸市中央区波止場町、ホテルオークラ神戸

 囲碁の第73期王座戦5番勝負の第4局が21日、神戸市中央区のホテルオークラ神戸で打たれ、挑戦者の一力遼四冠(28)=棋聖、名人、天元、本因坊=が、井山裕太王座(36)=碁聖=に159手までで黒番中押し勝ちした。通算成績3勝1敗で王座を奪取し、史上3人目の五冠を達成した。

 これまで七大タイトルのうち五つを同時に保持した棋士は、張栩九段(45)と井山のみ。五冠達成時、井山は23歳、張は29歳で、一力は2番目の若さでの到達となった。

 一力は「(五冠を)目標にしていたので良かった。まだまだ実力的に足りないところが多い。さらに成長していけるよう頑張りたい」と話した。全七冠達成は「険しい道のり」「まだまだ遠い」としながら「一局一局丁寧にやっていくことは変わらない」とした。

 一方、七冠同時制覇を果たした唯一の棋士である井山は、2011年11月から二冠以上を堅持してきたが、14年ぶりにタイトルが一つになる。井山は「少しでも力を付けていければ、チャンスもあると思う」と再起を誓った。(小林伸哉)