神戸新聞文芸の最優秀賞に決まった(後列左から時計回りに)福光百合子さん、齊木富子さん、三村小稲さん、あさだ派朗さん、新谷康陽さん、森井恵さん、渡辺とよ子さん=神戸新聞社(撮影・斎藤雅志)
神戸新聞文芸の最優秀賞に決まった(後列左から時計回りに)福光百合子さん、齊木富子さん、三村小稲さん、あさだ派朗さん、新谷康陽さん、森井恵さん、渡辺とよ子さん=神戸新聞社(撮影・斎藤雅志)

 詩歌や散文作品を読者から募る「神戸新聞文芸」欄の2024年最優秀賞の表彰式が26日、神戸市中央区の神戸新聞社であった。受賞者7人が出席し、「美しい季語とともに生活している」「丁寧に言葉を見つけ、紡ぎ、新しい物語を作っていく」と、創作活動の魅力や意欲を語った。

 神戸新聞文芸は原則、毎週月曜に掲載。俳句▽詩▽短歌▽川柳▽エッセー・小説▽ショートエッセー-の6部門がある。今回は6人の選者が24年の特選作品から俳句と川柳を各2点、その他は各1点を最優秀賞に選出した。

 森井恵さん(30)=明石市=は短歌「Tシャツで行けるところを夏と呼び夏を広げにTシャツでゆく」で受賞。「一人で取り組めることが短歌の魅力だが、人との関わりや自然とのつながりがなければ作ることはできない」とし、「歌にできるものを大事にしていきたい」と話した。

 高校生のころから長年川柳に励んでいるというあさだ派朗さん(73)=加古川市=は、特例で「木枯しに例えるべきか母のなべ」と「タクトからすべてが海の果てになり」の2句が選ばれた。「人生の後半で本格的に熱を入れ始めた」といい、「(受賞は)最大で最高の喜び。趣味にとどまらず、地域活動に還元できれば」と話した。

 昨年1年間の応募総数は俳句、詩、短歌、川柳が計3万9142点(月平均3262点)。エッセー・小説とショートエッセーが計337点(同28点)だった。(安藤真子)