35歳以下を対象に、小説やエッセーの小品を募る神戸新聞文芸「だれかに伝えたい。小さな物語。」で、2024年の入選作が決まった。
原稿用紙7枚、同3枚の部門があり、エッセイストの三浦暁子さんが選考。優秀作品には、7枚の部で、寺澤なぎささん=長野県=の「わたしのままになる」、3枚の部は小林美納理さん=神戸市須磨区=の「わたしのハルモニ」が選ばれた。
「わたしのままになる」の主人公は「昔から自分の事が嫌い」。就職活動を迎えたものの自己PRが苦手だ。悩む中で、自らと向き合い、受け入れ、面接試験に臨むまでを独白のような文体でつづった。
「わたしのハルモニ」は、16歳で韓国から日本に渡った祖母の波乱に満ちた生涯を孫の視点から描く。92歳で亡くなった祖母への愛情と思慕に満ちた作品だ。
選者の三浦さんは「みずみずしい作品が多く、うれしい衝撃だった」と総括した。
佳作は次の皆さん。(敬称略)
「あなたの本当の幸せを教えて」(栃木県・高津戸千浩)▽「伝えること」(広島県・小林拓馬)▽「林君」(栃木県・諏訪大空)▽「逃避行」(浜松市・飯嶋紗英)▽「円らな瞳への手紙」(兵庫県川西市・室谷碧)▽「じいちゃんのカステラ」(兵庫県三田市・西中瑤子)▽「マッサージのひと時に」(神戸市・市川雅樹)▽「さようなら、世界。」(京都市・青葉美樹)▽「暗闇の出口」(神奈川県・遠藤涼花)▽「白雨」(大阪府・逢坂彩)▽「希死念慮」(愛媛県・川崎瑞穂)
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