全国大会で3位入賞を果たし、笑顔の蒼開女子硬式野球部ナイン=蒼開高校
全国大会で3位入賞を果たし、笑顔の蒼開女子硬式野球部ナイン=蒼開高校

 蒼開高校(洲本市)の女子硬式野球部が、8月に岐阜県などで行われた「第14回全国高校女子硬式野球ユース大会」で3位入賞を果たした。2021年夏の選手権大会で記録したベスト8を上回る過去最高位。悪天候による過密日程を戦ったナインは「勝負はここから。春の選抜、夏の選手権では日本一を目指す」とさらなる目標を掲げる。(内田世紀)

 同ユース大会は全国高校女子硬式野球連盟などが主催し、8月21~28日に開かれた。3年生が引退した新チームによるトーナメントで、今年は全国から過去最多の52チームが出場した。

 蒼開の女子硬式野球部は創部6年目で、1、2年生計20人が在籍。井手麻由佳監督(27)は「3年生がいた前チームに比べ、新チームは決定力に欠ける。守備力などの現状を確認して課題を探したい」と大会に臨んだ。

 天候不順による日程変更により、初戦の2回戦と3回戦は同じ日に行われた。

 1戦目は2年前の夏の選手権で準優勝した強豪、高知中央(高知県)。蒼開先発の清井結月投手が10奪三振の力投を見せ、七回を終えて0-0の投手戦となった。

 迎えた延長戦で戦況が一変した。八回表に蒼開が9点、その裏に高知中央が8点を取る混戦を制し、初戦を突破した。

 「この勝利で勢いづいた」と井手監督。続く2戦目は旭川明成(北海道)と対戦した。この試合では先発の1年生、西村柚珂(ゆのか)投手が奮闘。2安打完封の快投を見せ、1-0で8強に駒を進めた。

 翌日の準々決勝も悪天候に見舞われた。相手は今春の選抜大会準優勝校、花巻東(岩手県)。蒼開が初回に1点を先制し、五回に3点を加え4-0とリードした場面で雷雨が強まり、試合は中断。翌日へ継続試合となった。再開後は清井投手が投げきり、逃げ切った。

 準決勝はその4時間後にプレーボール。前日に優勝候補筆頭の神戸弘陵(兵庫県)を破って勢いに乗るクラーク記念国際仙台(宮城県)と戦った。

 初回に1点先制を許すもその裏に追い付くなど粘りの野球を披露。だが四回、バッテリーエラーなどから3点を与えると、その後も小刻みに加点を許し、1-7で敗れた。

 敗戦後、多くの選手がベンチで号泣。仲村美名主将は「3位の喜びより、力を出し切れなかった悔しさの方が大きかった」と振り返った。

 「正直、こんなに勝てるとは思っていなかった。選手は1試合ごとに自信をつけ、成長した」と手応えを口にした井手監督。「今後は守備の精度を上げ、打力も磨いていく」と先を見据えた。