1月末、東京である数字が「過去最多」となった。それは生活困窮者向けの食品配布に並ぶ人の数。毎週土曜日に開催される食品配布に685人が並んだのだ。コロナ前は近隣の野宿者80人ほどだった行列に、今や家族分の食料を求める女性や一食分でも浮かせたい若者などが並ぶ。いずれもコロナ禍で失業、減収した人々だ。そこに物価高騰が重なり、このタイミングで過去最多となったのだ。
そんなコロナ禍で、生活保護を利用する人は増えているかと言えば、答えはノー。2019年5月と比較して、22年5月には5万人ほど減っている。背景にあるのは「生活保護だけは嫌だ」という忌避感だ。また、「家族に知られたくない」という声もある。生活保護を申請すると家族に連絡が行くのだが(扶養照会)、21年4月から運用が変わり、本人が嫌がる場合には無理にされなくなった。が、まだまだ知られていない。
この記事は会員限定です。新聞購読者は会員登録だけで続きをお読みいただけます。