兵庫の思い 東北へ
子どもたちへ 希望の恩返し

水崎綾女(みさきあやめ)さん (25)
女優/東京都

▼ 記事を読む ▼
兵庫の思い 東北へ
子どもたちへ 希望の恩返し

水崎綾女(みさきあやめ)さん (25)
女優/東京都

 東日本大震災の翌年からテレビドラマ「特命戦隊ゴーバスターズ」でエスケイプという役を演じました。だから私が行けば子どもたちが喜んでくれると思い、一昨年に岩手、宮城、福島の児童館でおもちゃを贈る活動をしてきました。それは恩返しなんです。
 14歳で上京した私にとって、神戸は被災生活の地です。5歳で震災に遭い、1年間が避難所生活、4年間が仮設生活でしたから。私は5人姉妹の4番目。家族7人でぎゅうぎゅうでした。
 とにかくひもじくて、その日を生きるのが精いっぱい。ホームレスと言われ、悲しい思いもしました。一時は声も出なくなりました。そんな日々でも楽しかった記憶が、ボランティアのお兄ちゃんやお姉ちゃんが来て、一緒に遊んでくれたことでした。だから私も東日本へ。「エスケイプが来て、いい日になった」と言ってくれました。
 20年前は気持ちを抑え込まなければならず、人生や夢を描けなかった。早く自立しなくちゃと、年齢に関係なく働ける芸能界に入りましたが、今はつらかった体験が女優としての糧になっています。私が頑張る姿は東日本の子どもたちの希望にもなる。そう信じています。(聞き手・松本寿美子、写真・峰大二郎)


2015年2月18日掲載
写真撮影場所:

西宮市高松町2、兵庫県立芸術文化センター